「紙絵本」も「電子書籍」も脳効果にあまり違いはない!?
早稲田大学らが調査した研究結果に「絵本の電子書籍化と読み聞かせへの影響」という論文がありました。
その研究は、“電子書籍と紙の絵本で読み聞かせする際、脳への影響はどのような違いがあるか?”を調査したものなのですが、このような研究結果が発表されていました↓↓
紙媒体の絵本と比較して、電子絵本による消極的な影響は認められなかった。(※参照:「絵本の電子書籍化と読み聞かせへの影響」)
つまり、電子書籍の絵本だからと言って、子供に悪影響を与える可能性は低いということです。
また、電子書籍の絵本のほうが、子供の脳にいくつかプラスの影響を与える要素があるのではないかとも考えられています。。
【研究・論文】電子書籍で絵本の読み聞かせをする3つのメリット!
では、子供に絵本を読み聞かせる上で、
「紙の絵本」から「電子書籍の絵本」に代わると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
子供の読書について、さまざまな研究結果がありますので、それらを参考に少し紹介していきましょう↓↓
子供が“自発的に”絵本を読むようになる
まず、「紙の絵本」と「電子書籍の絵本」を比較した結果、
「電子書籍の絵本」のほうが、子供が“自分から”絵本を読む傾向にあったことが研究結果からわかっています。
日本教育工学会が発表した論文「紙絵本とデジタル絵本による読み聞かせの比較」の調査結果によると、
- 「紙の絵本」→“親が中心”の読み聞かせになる
- 「デジタル絵本」→“子供が中心”の読み聞かせになる
という傾向にあることがわかりました。
…
なぜ、このような違いが生まれたのでしょうか?
この2つの比較結果について、もう少し詳しく説明してみましょう↓↓
親が絵本を持ち、読み聞かせをしていくことになるので、基本的に子供はずっと聞いているだけ(受け手)になることが多いようです。
また、読み聞かせ中に、コロコロと動き回ったり、絵本から離れたりする行動がよく見られました。
指だけで簡単に操作できるのもあってか、子供が自分から絵本をめくったり、絵本の話の中で見つけた発見を親に伝えるという行動が多く見られたようです。
また「電子書籍の絵本」では、子供が絵本の前から離れず、集中して絵本に向き合う様子が見て取れたのです。
つまり、
「紙の絵本」よりも「電子書籍の絵本」のほうが“自発的な読書”には適しているということが言えるでしょう。。
子供が「絵本に触れる時間」が長くなる
「紙の絵本」と「電子書籍の絵本」の比較で、もう1つ大きく違いができた調査結果があります。
それは、「子供の読書時間」の差です。
というのも、
先ほどの「紙絵本とデジタル絵本による読み聞かせの比較」の調査をする際に、
読書時間の制限はしていなかったようですが、
明らかに「電子書籍の絵本」で読み聞かせしたほうが、子供が長い時間絵本を読み続けようとすることがわかりました。
- 「4歳1か月の子供」→紙の絵本は6分31秒、デジタル絵本が12分31秒
- 「5歳10か月の子供」→「紙の絵本」が3分31秒、「デジタル絵本」が11分40秒
- …などなど。
この調査では、どの親子の読み聞かせ比較でも、電子書籍で読み聞かせしたほうが長い読書時間を記録したようです。
これらの調査結果から、
子供は「紙の絵本」よりも「電子書籍の絵本」のほうが興味を持って読書ができていることもわかってきますね(^^♪
「読書嫌い」の子供でも読書が楽しいと感じる!?
また「電子書籍の絵本」は、読書嫌いの子供でも、本に興味を持ってもらいやすい効果が期待できることも示唆していました。
読書に馴染めない子どもにはアプリ絵本は有効であるという可能性も示している。(※出典:日本教育工学会論文誌「紙絵本とデジタル絵本による読み聞かせの比較」)
母親:「○○ちゃん、紙の絵本とこっち(デジタル絵本)だったら、どっちが楽しい?」
子供:「こっち(デジタル絵本)」
というように、
子供も「紙の絵本」よりも「電子書籍の絵本」のほうが楽しいと感じているようですね。。
これからは「紙絵本」と「電子書籍」の使い分けが必要…
子供が読書好きになる要因は、何と言っても、
“本が楽しいと感じること”
というのは、誰もが知っている事実ですよね。
「紙の絵本」の読み聞かせをやめる必要はありませんが、
子供がデジタルの絵本を楽しいの感じているのであれば、
「電子書籍の絵本」も上手に取り入れていくことが、これからは特に必要なのかもしれませんね(^^♪