自分の体内時計を整えるために必要な「朝・昼・夕方~夜」に分けたそれぞれの体内リズムや睡眠方法を学ぶことができます。
目次
朝昼夕3つのことを心がければOK! あなたの人生を変える睡眠の法則【要約・書評・レビュー】
「自分の“生活リズム”って何でこんな安定しないんだろう…」
こんなことを思ったことはありませんか?
実際、“仕事や勉強中にくる眠気”など、
自分の体内リズムに悩みを抱えている方は多いでしょう。
特に社会人になると、仕事のストレスや朝の早い就業時間に悩まされて、睡眠の不安を抱えている方も多いかもしれません。
それでも…
…
「頑張らなきゃ!」
と気合で乗り切ろうとする“頑張り屋さん”も多いかもしれません。。
ですが、睡眠の専門家である菅原洋平さんはこう言っています↓↓
というのも、
これは人間の睡眠メカニズムが関係しているのです↓↓
眠気とは、覚醒し続けて疲弊した神経を修復し、さらに高いパフォーマンスを発揮させるための、脳による脳のための戦略的システムなのです。
つまり、
自分がいつ休息を取るべきで、いつ仕事をすべきなのかを知りさえすれば、
自分の生活リズムを“思い通りに”コントロールできる可能性があるということです。
もし、
「どうにか自分のリズムを掴んで、思い通りの生活スタイルを築きたい…」
と思っているならば、
自分の“体内時計の仕組み”を知ることが必要になってきます。。
「体内時計を整える」ために知るべき3つのリズム!
体内時計の仕組みを知るといっても、何から知ればいいのやら…
こんな疑問が湧くのも当然でしょう。
確かに体内時計の専門家のように知ろうとすれば、
最新研究の論文やら、膨大な資料を見ていく必要があるかもしれません。
…
ですが、もちろんそんな時間はありませんよね。
要は、「狂った自分の“体内時計を整える方法の要点”を知りたい…」
ということではないでしょうか。
ならば、体内時計を整えるために、まず知っておくべき人間の3つの体内リズムというものがあります。
今回は、その3つの体内リズムについての知識を紹介していきましょう。。
【メラトニンリズム】“光”は体内時計の乱れを戻すには必要不可欠!
1つ目は、メラトニンリズム。これは「光」が関係してくるリズムです。
メラトニンというのは、睡眠を誘発する物質です。
メラトニンは、光を感知すると減少し、夜間に暗くなると、急速に増加するという特徴を持っています。
睡眠を誘発する作用のほか、エネルギーを使った後に発生する活性酸素を除去したり、抗がん作用や性腺機能を抑制するなど様々な働きがあり、いまだ不明な点も多い物質です。
体の中でメラトニンが増えると眠くなり、減ると目が覚めていきます。
このメラトニンは、どうやって増えるかというと、
体に「光」を浴びると減り、逆に暗くなっていくと増えていきます。
よく、「起きたらカーテンを開けて朝日を浴びなさい」と言われるのは、
このメラトニンを減らすためということですね。
また、このメラトニンの増減する「光の強さ」には、ある程度基準が定められています。
マスタークロックは、暗くなると松果体にメラトニンを分泌させますが、その「暗くなる」基準は500ルクスです。500ルクスより暗くなると、メラトニンが分泌され始めます。
光の強さの単位は、ルクス…という用語で表すんですが、、
この“500ルクス”とは、どのくらいの明るさなんでしょうか?
↓↓
- 晴れた日の屋外は、1万ルクス~
- 曇りの日の窓際:5000ルクス~
- 一般的なオフィスの机に当たる照明:500ルクス程度
- 真っ黒い雲に覆われた大雨の日の窓際:500ルクス程度
なので、オフィスで仕事をしているようなビジネスパーソンは、日中に眠くなりやすい環境で仕事をしているとも言えます。
…
なんで、会社はこんな暗く照明を設定してるんでしょうか?
↓↓
知的作業をはかどらせるために500ルクスに設定されています。
仕事の効率を高める環境という視点では、適切な明るさですが、生体リズムを整えるという視点では、恐ろしく暗いのです。
仕事の効率化という面では悪くないようですが…
自分の体内時計を整えること考えると、
休憩時は、外に出るか窓際などで太陽の光をしっかり浴びることが重要になってくるということですね。。
【覚醒ー睡眠リズム】“起床から”〇時間後に大脳は眠る…
2つ目のリズムは、「覚醒ー睡眠リズム」です。
これは、睡眠負債の溜まった脳を休ませるために必要なリズムです。
この時に休むのが「大脳」と呼ばれるところです。
1日のうちで、この大脳を眠らせるシステムが強く働く時間帯は、起床から8時間後と22時間後の2回あります。
「大脳」は、物事を判断したりなど重要な働きをしているので、
大脳が休む時間帯は、
「なんだか頭が働かなくてボーっとしてしまう…」とか、
単純に「眠い…」
などという状態になってしまいます。
午後の会議が眠いのは、昼食でお腹が一杯になったからだと認識している人は多いと思います。
しかし、昼食を2時間早めた場合や、抜いた場合、1時間ごとに少量の食事をとり続けた場合でも、午後の眠気が生じることが実験により明らかにされています。
私たちは、ごはんをお腹いっぱい食べたあと眠くなるのは、それを消化するエネルギーを使ってるから眠くなるんだ!
と思ってる人が多いですが、(その要因も少しあるでしょうが)
実は、この「大脳」が休む時間がちょうどお昼時だったから眠気がやってきてたんですね。
確かに、朝とかはお腹いっぱい食べても眠くならないですもんね。
また、「覚醒ー睡眠リズム」は夜更かしなどでズレやすいリズムなので少し注意が必要です。
【深部体温リズム】高い低い時間を意識し効率的に活動する!
最後の3つ目が、「深部体温リズム」です。
これは、体温計とかで測る体温のことです。(測る部位によって平熱が異なりますが、深部体温は体の中心部の体温のことです。)
この深部体温は、1日に一定のリズムを刻んでいます。
深部体温は、起床から11時間後に最も高くなり、22時間後に最も低くなります。
深部体温は、高くなると体が活発化し、低くなると眠気がやってきます。
なので、深部体温リズムを意識して仕事・運動・勉強時間などを設定すると、より効率的に活動できるというわけです。
また、深部体温リズムは夜更かしをしても、崩れにくいですが…
慢性的に2~3週間夜更かしの生活を続けると、徐々に後ろにずれていきます。
そして(深部体温リズムは)、一旦ずれてしまうと、なかなか戻しにくいリズムです。
なので、昼夜逆転の生活になってしまって、
「体内時計を昼に戻したい!」と思っている人は、
深部体温リズムを含めた3つのリズムを考えながら、体内時計を整えていく必要があるということです。。
「体内時計を整える」3つのリズムをまとめると…
ここで、体内時計を整えるために意識すべき「3つの生活リズム」を簡単に整理してみましょう。
- メラトニンリズム:睡眠を誘発する物質。「光」を浴びると減り、暗くなると減る。
- 覚醒ー睡眠リズム:重要な機能を持つ「大脳」が眠るリズムを刻む。起床から8時間前後と22時間前後の2回システムが働き、この時間帯に眠気がやってくる。
- 深部体温リズム:1日に一定のリズムを刻む。この体温が高くなると活動が活発化し、低くなると眠気がやってくる。起床から11時間前後に高くなり、22時間前後に低くなる。
基本的に体内時計を整えるために知っておきたいのは、起床時間を基準に整えていくことが重要です。
いつ眠くなって、いつ元気になるのか?などです。
起床から、、
8時間後→15時前後の時間に眠気がきやすい
11時間後→18時前後に元気になりやすい
22時間後→次の日の朝5時に眠気
なので、もともと朝7時起きが習慣化してた人が…
「明日の朝は絶対早起きするぞ!」
と意気込んで“いきなり5時に目覚まし”をかけ起きたとしても…
……
「二度寝しちゃった…」
となりやすいということです。
理由は、ちょうど体内リズム的に眠気がきやすい時間帯だからです。
なので、今までの習慣化を考慮せずに、いきなり早起きすることは人間のメカニズム的にかなり無謀なことなのです。
…
つまり、
先ほど紹介した3つの体内リズムの時間を意識しながら、
“少しずつ”体内時計をズラしながら整えて行く必要があるということなのです。
もし今回紹介した「体内時計を整える3つのリズム」についてさらに詳しく知りたい方は、
「朝昼夕3つのことを心がければOK! あなたの人生を変える睡眠の法則」で、
もっと詳細に紹介されていますので、ぜひ手に取って読んでみることをおすすめします。
作業療法士が書いている“実践的”に活かせる本で、とてもわかりやすい1冊ですので。。
1日に2回眠気が起こることは、防ぎようのないことです。