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4時間半熟睡法【要約・書評・レビュー】
医学博士。睡眠医療認定医、精神保健指定医。
スタンフォード大学、チューリッヒ大学、カリフォルニア大学などの留学を経て、睡眠分野の研究に取り組んできた。
現在は、スリープクリニック調布院長として、不眠症など睡眠に悩む患者たちの手助けを行っている。
「あっ眠くなってきた…」
と思う時って、いつも体がポカポカしてきませんか?
…
ということは、体を温めて“体温を上げる”ことこそが睡眠のコツ…なんでしょうか?
……
いいえ、実はそれは間違いなんです。
というのも、睡眠のコツは体温を上げることではなく、
“体温を下げること!”にあったんです。。
睡眠のコツは「体温を1℃下げる」こと!?
「4時間半熟睡法」という書籍の中で、
人間が眠りにつく時の体温の変化についての研究データが紹介されていました。
その表を見ると、人間が眠りに入る直前の体温が約1℃ほど下がっていることが確認できたんです。
なので、人間がスムーズに眠るための“睡眠のコツ”は「自分の体温を下げる」ということが必要になってくるんです。。
でも眠くなる時って、体がポカポカしてなんだか体温が上がっている感じがしますよね?
…
どういうことなんでしょうか?
「手足」の変化が体温を錯覚させる…
手足ってすぐに冷たくなりますよね…冬とかは特に。
それは、手足の皮膚や脂肪が他の部位と比べて薄いからなんですね。
つまり、“外の環境によって体温が変化しやすいのが手足”なんです。
よく「手足だけ冷たい…」なんてことがあるのはこのためです。
あなたは「もうそろそろ寝よう」と思った時に「何だか手足が熱いな」と感じたことはありませんか?
それは、脳から指令が出て、体の温度を下げようと、温度の高い血液が手足に集まってきているからです。
眠る直前に、
「体全体がポカポカしてきたな…」
って感じるのは、
もともと他の部位より冷たかった手足が温かくなってきたから、体温が上がっているように錯覚しているだけなんですね。
体温自体は、冷たい手足の血液が体全体に行き渡るので、少し下がっているんです。。
“冷たい手足”を利用するのが「睡眠のコツ」
体のメカニズムについて、ここまで紹介したことを簡単にまとめてみましょう。
- 「眠りに入る直前」は体温が下がる
- 「手足」は外の環境を受けやすく、体温が変化しやすい
実は、スムーズに睡眠に入る“コツ”は、この2つの考えを組み合わせることが大切なんです。
先ほど少し触れましたが、
「冷たい手足」の血液を体全体に循環させ、体の体温を下げる!
のが“睡眠のコツ”ということです。
↓↓
どうやって体温を下げるのかというと、手足の末端に血液を流すことで、血液の温度を下げます。
そして、温度の下がった血液を循環させることで、体温を下げています。
こうして体温の落差が起きると、人は眠くなるのです。
昔から「眠りたいなら手足を温めなさい」
なんて言葉を言われたことがあるかもしれませんが、
それは、手足の冷たい血液を体全体に行き渡らせて、体全体の体温を下げれば眠くなる…という人間のメカニズム的に間違ったことではなかったんですね。。
【警告】寝酒で睡眠…は注意が必要!
「寝る前に心地良く眠りたいからお酒を飲む!」
って大人は結構多いですよね。
確かにこの方法でも眠くなるようなのですが、この荒療治には要注意です!
というのも、寝る前にお酒を飲むという行為は、睡眠の質を悪くしてしまう可能性があるからなのです。
これは先ほど説明した、体温が急激に下がると眠気がくる!という人間のメカニズムが関係しています。
↓↓
アルコールには高くなった体温をグッと下げる作用があるため、飲んだ直後にかなり眠くなります。
寝つきがよくなるのは、アルコールが体温を下げるからなのです。
「寝つきが良くなるなら、眠りやすくて効果的なんじゃないの?」
って思った方もいるかもしれませんが…
↓↓
アルコールは摂取してから3時間ほどたつと、今度はアルデヒドという毒に変わります。
アルコールが分解されてアルデヒドに変わると、交感神経を刺激して、体温や心拍数を上げます。
寝酒すると、ものすごく寝つきがいいかわりに、すぐに目が覚めてしまうというのは、アルデヒドが交感神経を刺激するからなのです。
寝酒っていうのは、実はリスクが伴うやってはいけない睡眠法でもあったんですね。
仕事のストレスでなかなか寝つけない…
というビジネスパーソンも多いかもしれませんが、
人間の睡眠メカニズムを理解して、別の安全で有効的な睡眠方法で眠りに入るようにしたいところです。。
「素早く体温を下げ」スムーズに睡眠するコツは…
今回紹介した「体温を1℃下げて眠るコツ」などのテクニックについては、
本書にて紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
例えとして、1つだけ紹介すると…↓↓
入浴のタイミングですが、これは就寝の1時間前くらいがベストです。
なぜなら、これより早く入浴してしまうと、、体温の上げ下げのタイミングがずれてしまい、効果的に眠ることができなくなってしまうからです。
他にもお風呂の温度や時間などについても紹介されていました。
食事・運動・入浴などの観点から、どうすればスムーズに睡眠に入れるのかについてのおすすめテクニックが紹介されています。
寝る前の照明の明るさ、昼間に眠くなった時の仮眠時間、スムーズに眠りに入るためのストレッチ方法、夜勤の方のための効果的な睡眠方法、おすすめ睡眠グッズ…などなど。
気になった方はぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか。。
眠りに入る時、体温が1℃くらい急激に下がっていることが確認できるでしょう。(※本書では43ページの表に示されています。)
これは脳から指令が出ているためで、体温が高いところから低いところに急激に落ちると、人間は眠くなるようになっています。
つまり、体温の落差が大きいと、人間は眠くなるのです。