3分!
ビルゲイツが次世代のWindowsシステムを決める際に、決断に要した時間です。。
目次
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である【要約・書評・レビュー】
![](https://runbea.jp/wp-content/uploads/2019/02/microsoftprogrammer-workspeed.jpg)
時は1995年。
当時、Microsoft内には2つの派閥が存在していました。
1つは、“カイロ”に本拠地を置くチーム。
有名大学で博士号を取得した人たちが多く集まるTHE“理論派”集団。
もう一方は、“シカゴ”に本拠地を置くチーム。
プログラミング大好き!といった人達が集まった職人集団です。
今回の本の著者である中島聡さんは、このシカゴチームに所属していました。。
異なる2つの仕事術…
この2つのチームは、どちらも次世代のWindowsシステム開発のため構成されたチームですが、
それぞれ違った仕事の仕方をしていました。
カイロ側のシステムは、博士号取得者たちが集まるだけあって、
作ろうとしているプログラムはとても緻密な設計です。
完成すれば、同業者でさえ文句がつけられないほどのプログラムでした。
ですが、、
その完璧のように見えるプログラムは、なかなか完成の目処が立ちません。
つまり、設計は素晴らしいですが、出来上がるのがいつになるのかまったく見通しの立たない状態なのです。
一方、中島さんらシカゴチームの仕事術はどうか。
こちらは、まったく正反対。
「良いプログラムを作りたい…」という気持ちはもちろんありましたが、
まずは、締め切り第一!
締め切りを過ぎるくらいなら、大量のバグがあるプログラムを世に出しても構わない…
という仕事術でした。
…さて、
このようなタイプの違う2チームが次世代Windowsシステムの開発を担っていたわけですが…
当然、どちらかは長い時間をかけてきた開発が無駄になるわけです。
すべてはマイクロソフト社のトップ、ビルゲイツの一言で。。
【理論派vs仕事人】運命の対決!代表は…
カイロとシカゴの直接対決!
両チームの運命が決まる日がやってきました。
次世代のWindowsシステムを決めるプレゼン当日です。
これまでかけた開発の時間が無駄になるか?
そして、どちらの仕事術が正しかったか?がビルゲイツに判定されるのです。
そんな運命の対決でのシカゴのプレゼンターは…
……
なんと、中島さんでした。。
「膨大な資料」vs「CD-ROM1枚」
会議室に集められた両チームの代表たち。
そこにいたのはビルゲイツだけではありません。
Microsoft社トップ5のうち4人が出揃っていました。
…この時の緊張感を想像できるでしょうか?
著書の中で中島さんはこう言っています↓↓
そんな中、プレゼン開始が始まりました。
両者それぞれの開発システムを主張していきます。
↓↓
カイロ側が持ち出したのは400ページ以上の大量の資料。
その内容はシカゴ側のプログラムがどれだけダメかということを事細かく主張して、自分たちの設計の優秀さを強調していました。
一方、プレゼンターであるシカゴ側の中島聡さんが用意してきたものは…
CD-ROM1枚。他の資料はゼロ。
ここでも両者の異なる特徴がはっきりと感じ取れるでしょう。
圧倒的な情報量を武器にした“理論派カイロ”と、
一点突破に賭けた“仕事人シカゴ”のぶつかり合いです!
さて、結果は…↓↓
3分!ビルゲイツが決断にかけた時間です。。
ピタッ…
両者のプレゼンが終わった瞬間、ビルゲイツの動きが止まりました。
ビルゲイツは、副社長のポール・マリッツに目配せをします。
ポール:「そのまま待つように…」
ビルゲイツは、ポール・マリッツとともに部屋を出ていきました。。
ビルとポールが退出していた時間はわずか3分ほどでした。けれども部屋には妙な沈黙が流れていて、私にはそれが1時間くらいに感じられました。
ガチャ…
ドアがゆっくりと開く音がしました。
どんなに悔やんでも、ビルゲイツが放つ次の一言ですべてが決まります…
……
いざっ!
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「カイロプロジェクトはキャンセルとする」
((@^^)/~~~
部屋に戻ってきたと同時に、この決断がされました。
切り捨てたカイロ側の開発費用も膨大な金額だったでしょう。
ですが、これほど重要な決断をビルゲイツは3分で下したのです。。
仕事人の完全なる勝利!
中島さんの仕事術が、博士号取得者多数の理論派集団を打ち破りました。
ビルゲイツの一言を聞いた瞬間の中島さんの心境はどれほどの快感だったでしょうか。
そして、この一言は、
のちに世界一の億万長者となるビルゲイツに、その仕事ぶりが認められたということでもあるのです。
…
気になるのは、中島さんが用意したCD-ROM1枚の中身やその仕事術です。
いったい中島聡さんの仕事術とは、どんなものなのでしょうか?
…
その仕事術を言い表すのに適切な興味深い言葉を引用いたしましょう↓↓
Windows95には約3500個の“バグ”が残っていました。
私たちはそれを知っていましたが、そのまま発売することになりました。
Windows95を覚えていますでしょうか?
リリース直後、革新的とまで言われたオペレーティングシステムです。
先ほどのお話しした内容は、すべてこのWindows95の裏で起こっていた実話なんです。
そして、Windows95のシステムで衝撃的となったシステム“ダブルクリック”“ドラッグ&ドロップ”“右クリック”などのシステムは、すべて中島さんが組み込んだものなのです。。
もちろん、バグがあることはビルゲイツも知っていたのは言うまでもありません。
それでもビルゲイツは、“完成度の高さよりも締め切りを優先させた”ということでしょう。
技術力は高いが見通しが立っていないカイロの設計を捨て、
ある程度完成予定がはっきりしていた中島さんの主張を受け入れたのにも納得がいきます。
それは同時に、中島聡さんの“時間管理”を意識した仕事術がビルゲイツに認められたということでもあるのです。。
天才“理論派”集団を打ち破った仕事術とは?
天才博士集団を打ち破り、ビルゲイツに認められた仕事術とは一体何でしょうか?
…
それは一言で言ってしまうと“時間の使い方”です。
つまり時間管理ですね。
ですが、時間管理は時間管理でも、ビルゲイツに認められた時間術なのです。
そしてこれこそが、今回紹介する本のメインテーマでもあります。。
![](https://runbea.jp/wp-content/uploads/2019/02/microsoftprogrammer-workspeed.jpg)
中島聡さんはこんなことを言っています↓↓
仕事に“ムラ”がある天才は、いくら先進的なアメリカの企業であったとしてもなかなか活躍できません。
締切厳守!
というのは、ビジネスでは鉄則のような言葉ですが、
この当たり前のことを守れる人は、アメリカのエリートたちでも少ないそうです。
つまり、
どれだけ頭がよくても…どれだけ技術があろうとも…
“時間管理”ができていない人は一流になれない!ということです。
また、こんなことも…↓↓
「人は2倍以上の能力差がある人にも、時間の使い方次第で勝てる」
中島さんは、ビルゲイツの近くで仕事をする機会がよくあったそうなのですが、
ビルゲイツはどんな理由があろうと、締め切りを守れない人には、人が変わったほど怒り狂うそうです。
それだけ“時間”を最重要事項として捉えていたということでしょう。。
他にも、仕事効率化や時間管理術を学ぶことができます。。
他にもまだまだあります。。
本書では、伝説的プログラマーとなった中島聡さんの時間管理術はもちろん、
マイクロソフト社で長年仕事をしてきたからこそわかるビルゲイツの「時間管理・決断力」の秘密など、ビジネスに関わる人にはとても参考になる内容が満載です。
例えば、ビルゲイツが“効率化”のために、実際に行っていたの時間管理術の1つを紹介すると…
↓↓
彼(ビルゲイツ)が何らかの説明を社員から聞くときに、直接その社員からは話を聞かないことです。彼は情報をかみくだき、彼にわかりやすく説明してくれる専門の社員を雇っていたのです。
これらは、説明の上手な社員と下手な社員がいたから行ったことだそうです。
「理解するのに無駄な時間を食わないため…」というところでも“効率化”を図っていたということですね。
などなど、
他にもビルゲイツと身近で接していた中島聡さんだからこそ書けるビルゲイツの逸話が載っていました。
時間管理など仕事の仕方に悩んでいる人は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。。
このそうそうたる顔ぶれを見て、私はとんでもなく重大なミーティングに参加しているということに気づかされました。 こうなると緊張どころか、逆にワクワク感が募ってきます。
これだけのメンツがそろっている前で、自分の仕事の重要性を主張する機会は滅多にありません。
机上の空論ばかりを繰り返しているカイロに負けるわけにはいかない。アドレナリンが血中に放出されるのを感じました。