【無料】夏目漱石「夢十夜」の小説・朗読(オーディオブック)はこちら↓↓【要約】

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「夢十夜」とは、夏目漱石が書いた夢の世界を題材にしたお話です。

「こんな夢を見た。」という書き出しは有名で、明治時代に朝日新聞に連載された作品です。

現在、「夢十夜」の『朗読(オーディオブック)』は、下のリンクから“無料”でご覧いただけます↓↓

 

「夢十夜」の内容・あらすじ・要約!

 

では、「第一夜~第十夜」までの内容を、それぞれ簡単に要約して紹介していきましょう↓↓

 

【第一夜】「もう死にます。」内容・あらすじ・要約

「もう死にます。」

目の前の布団で横たわっている髪の長い女が、静かにそう呟いた。

 

しかし、到底死にそうには見えない…が、

それでも女は、「もう死にます。。」と繰り返す。

 

男が黙って見つめていると、その女は、こう言った。

「死んだら埋めて、百年待っていてください…また会いに来ますから。」

そう言って、女は静かに息を引き取った。

 

男は、その女言う通り、土を掘って埋め、百年待つことにした。

 

日が昇り、日が沈む…

この光景を何度見たかわからなくなったぐらいの時に、ふと目の前の女の墓に目をやると、その場所から青い茎が自分に向かって伸びてきているのがわかった。

その茎は、自分の胸の高さぐらいまできたかと思うと、その動きを止め…

パッと花が咲いた。

この時、男は「あぁもう百年が経っていたんだな」と気がついた。。

 

【第二夜】「悟りを開けぬ侍」内容・あらすじ・要約

「いつまでも“悟り”を開けぬところを見ると、お前は侍ではあるまいw」

こんなことを寺の和尚に言われた1人の侍がいた。

 

侍が屈辱を受けたまま生きているわけにはいかない。

「時計が次の鐘を鳴らすまでには絶対に悟って見せる!悟れなければ…」

侍はそう決意し、無念の憎しみを心にとめながら、無心になろうと必死になった。

だが、和尚への怒りがこみあげてきて、なかなか悟りを開くことはできない。

さらに、そんな自分への情けなさもあいまって、迫りくる時間に焦り、体中から汗が噴き出してきた。

 

そして…

 

チーン

時計の音が鳴ったと同時に侍は、短刀に手をかけた。。

 

【第三夜】「おぶさる子供」内容・あらすじ・要約

(どこだかわからないが、1人の子どもをおぶって夜の道を歩いている…)

 

「お父さん、重いかい?」

自分の背中におぶさっている子供が話しかけてきた。

この子は、確かに自分の子のような気もするのだが、まるで記憶にないのだ。

それに、子供のくせに、この世のことを何でも知っている気がして、少し気味が悪くもあった。

 

そして、しばらく歩いていると、その子供はこんなことを言い始めた。

「ちょうど、こんな晩のことだったかな…」

何が?と聞くと…

「何がって知ってるじゃないかw」

…知ってるような気がしたが、思い出したくないような気もしたが…

「お父さん、その杉の木のところだったね…お前が俺を殺したのは」

その瞬間、背中の子供が急に石地蔵のように重くなった。。

 

「第四夜」内容・あらすじ・要約

「見ておろう、今にこの手ぬぐいがヘビになる。」

何者かはわからないが、目の前に妙に惹かれる不思議なおじいさんがいた。

子供の自分は、そのおじいさんが何をするのかと気になって、ずっと後をついていった。

 

おじいさんは、笛をピーピーと吹きながら、

「見ておろう、見ておろう、今にヘビになる」

と呟きながら、ずっとどこかに向かって歩いていく。

 

すると、川辺に出た。

しかし、そのおじいさんは、歩みを止めることなく、そのまままっすぐに川の中に入っていき、やがて見えなくなった。

自分は、そのうち姿を見せるだろうと思っていたが、、どんなに待ってもそのおじいさんは戻ってくることはなかった。。

 

【第五夜】「鶏が鳴くまでに…」内容・あらすじ・要約

「死ぬ前に一目でいいから、自分の思う女に会いたい…」

戦(いくさ)に負けて、捕虜となった自分の願いはただそれだけだった。

敵の大将は、夜が明けて、“鶏が鳴くまでなら待つ”…とそう言った。

 

それを聞きつけた女は、一目散に男のもとへと馬で駆け出した。

真っ暗闇でも構わず、走り続けた。

が、、

コケコッコー!

鶏が一声鳴く声がした。

それと同時に、女は馬の手綱の引き方を誤ってしまい、深い淵へと落ちていってしまった。。

 

【第六夜】「明治に運慶がいる理由…」内容・あらすじ・要約

「なぜ“運慶”がこの時代にいるのだろうか…」

運慶が仁王像を彫る姿を囲んで、人だかりができている。

不思議に思ったが、目の前の運慶の彫り姿に感動して、ただただ見入ってしまっていた。

 

しばらく見ていると、こんなことを思った。

「よくまぁ、あんな無造作に彫ってるのに、うまく彫れるもんだな…」

つい口に出た言葉を聞いていた、近くの男がこう言ってきた。

「なに、あれは、木の中の埋まっているものを、そのまま掘り出しているようなものだよ。」

彫刻とは、そんなものなのか…

そう思ったら、自分でも彫ってみたくなり、さっそく手頃な木を集め始めた。

しかし、彫っても彫っても、運慶のように仁王など出てこなかった…

そして、それこそ、運慶が今の時代に生きている理由だとわかった。。

 

【第七夜】「船の行く先…」内容・あらすじ・要約

「この船はどこに向かっているんだろう…」

男は、自分の乗っている船が、何の目的で船を走らせているのかがわからなかった。

それでも、“とりあえず”ただ船に乗っていたのだ。

 

その船には、いろんなタイプの人が乗っていたが、船の行く先を知る者、気にしている者などほとんどいなかった。

それどころか、船の行く先など聞けば、バカにしたように笑う者も少なくない。

だが、男と同じように“とりあえず”船に乗っていることには変わりがなかった。

 

そんな意味があるのかわからないような日が続くものだから、

男は、いっそ船から飛び降りて、船へ飛び込んで終わりにしようと思った。

そして、思い切って、海へ飛び込んだのだ。

しかし、船から海へ飛び込んだ瞬間、急に命が惜しくなった。

そして、こう悟ったのだ。

「どこに向かうかわからない船でも、乗っているほうがマシだった…」

 

【第八夜】「奇妙な金魚売り」内容・あらすじ・要約

「あんた、表にいた金魚売りを見たかい?」

床屋の店主が、声をかけてきた。

いいや、返すと、店主はそのまま黙って、私の髪を切り始めた。

 

散髪が終わり、外に出てみると、

門の近くに、いくつかの桶を置いて、その中に金魚を入れている金魚売りがいた。

金魚売りは、騒がしい街の中でも、じっと動かずにいた。

 

気になったので、しばらくその金魚売りを観察していたが、

とうとう最後まで、その金魚売りはまったく動くことはなかった。。

 

【第九夜】「祈る母」内容・あらすじ・要約

しんと静まり返った家に、若い母と3歳の子供がいた。

そこでは、よくこんな会話が交わされていた。

母「お父様は?」

子「あっち」

母「いつお帰り?」

子「…あっち」

母が何を言っても、返ってくる言葉は「あっち」ばかり。

母は、子供に「今にお帰り」という言葉も覚えさせようとしてが、なかなか覚えることはなかった。

 

夜になると、母は子供を背負って、こっそりと近くの神社へと向かう。

母は祈りながら、お百度参りをするのだ。

背中の子供が泣いてしまい、泣き止まない時は、何度もやり直すこともあった。

これもあれも父のため…

しかし、寝る間も惜しんで、父の無事を祈っていたわけだが、

実は、とうの昔に父は浪士に殺されていたのだ。

 

……

 

そんな話を、夢の中で母から聞いた。。

 

【第十夜】「豚に舐められる」内容・あらすじ・要約

「ここから飛び込んでごらんなさい」

一人の着物を着た女が、男に向かってそう言い放った。

 

しかし、そこは絶壁の崖…もちろん、男は断った。

 

すると女は、

「もし飛び込まなければ、豚に舐められますが、いいですか?」

と言ってきた。

豚は嫌いだったが、命を失うよりはいいと、男はまた断った。

 

そうすると、一匹の豚が自分のほうへ向かってやってきた。

男は、持っていたステッキで、豚を崖へ突き落した。

だが、どんなに落としても豚は、次から次へとやってくる。

そのうち疲れ果て、とうとう男はその場に倒れて、最後には豚に舐められてしまった。。