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「羅生門」とは、芥川龍之介が書いた小説の1つです。
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芥川龍之介「羅生門」の内容・あらすじ
ある日の暮れ方。
ある1人の下人が、羅生門の下で雨宿りをしていた。
羅生門の下には、この下人以外誰もいなかった。
…
その理由は、ここ2,3年で起こった地震や火事、飢饉などという災害が続き、寄るものがめっきり少なくなったからである。
そんな状態だから、野生の動物や盗人など、行き場のない者たちが住み着くようになったのだ。
しまいには、“死人”まで置いていく者を多くなった。
こんな状態では、一般人は誰も寄りつこうとしないのも当然だ。
そんな状態であるのに、なぜ下人は、ここにいるのか?
それは、もともとの主人に暇を出されたからである。
この下人も、行き場を失った1人だったのだ。
これは、「“盗人”になるしかないか…」
そんな思いが何度も下人の頭をかすめたが、下人はまだ迷っていた。
「盗人になるぐらいなら、餓死したほうがマシだ…」
という思いもあったからである。
「とりあえず、上で夜を明かそう…」
そう思って、下人は門の上へと登り始めた…
すると、そこにいたのは人間の死骸を漁る1人の痩せこけた老婆だった。
その老婆との出会いは、その後の下人の生き方を大きく左右させることになるのである。。
「羅生門」の要約・感想・レビュー
ではここからは、「羅生門」の内容を要約しながら、ポイントを紹介していきましょう↓↓
下人の心の中で、揺れ動く「2つの感情」
「羅生門」という話の中で、
下人は、揺れ動く2つの感情を持っていました。
それは、「生きるために盗人になるか」
それとも、「盗人になるぐらいなら死んだほうがマシだ」
という思いです。
これは、「生きる」を選択するなら、「悪人」に染まってしまうが、
「死ぬ」を選択するなら、「善人」でいられる。
という意味もあったでしょう。
下人は「羅生門」の中で、これら2つの感情のどちらを取るかで迷っていました。
もちろんですが、下人は死にたいわけではありませんでした。
なので初めから、
「生きるためには、盗人になるよりほかはない…」
という選択肢を肯定したかったのです。
ですが、“盗人=悪人”ということは知っていたので、なかなか悪人になる勇気はありませんでした。
老婆の行動に「善」の感情が芽生える下人
そこで現れたのが、“死体を漁る老婆”です。
この老婆の行動を見ていた下人は、最初に「善人」のような感情が沸き起こりました。(善人といっていいのかは微妙ですが、ある種の正義感が芽生えたのは確かです。)
死体を漁る老婆の前に立ちはだかり、さも自分が正義かのように老婆を押さえつけたのです。
しかし…
老婆の言動に、下人の「悪」の感情が“正当化”された!?
老婆に死体を漁っていた理由を聞く下人。
老婆は、自分の行動が悪いことだとは感じながらも、生きていくためには仕方がなかった…と語ります。
すると、その理由を聞いた下人の心には、さっきとは真逆の「悪人」の感情が沸き起こってきました。
つまり、「自分は生きるために盗人になってもいい!」という思いです。
そして、下人は老婆の着物をはぎとり、そのまま去っていったのでした。。
「羅生門」という作品を一言でまとめると…
つまり「羅生門」とは、どんな作品かと言うと、
「結局、人間は自分のことばかり考えている…」という人間観を表現した作品です。
下人も老婆も、自分の行動をどうにか正当化しようとしていたことからもわかりますね。
教科書などにも掲載されていることもある興味深い作品ですので、ぜひご覧になってみてください(^^♪